バイオナノシステムズ研究会

IR-LEGOによる遺伝子発現誘導とその利用
Gene expression system by IR-LEGO

浦和博子(自然科学研究機構 基礎生物学研究所・研究員)
Hiroko URAWA, Research Scientist
National Institutes of Natural Sciences, National Institute for Basic Biology (NIBB)


 顕微鏡は「形態を見る」ための道具として開発されたが、GFPの出現により、その利用法は大きな変化を遂げた。更に、最近では、optogenetics(光遺伝学)の発展に伴い、光応答チャンネルを利用し、生体の生理状態を「操作する」ことも可能となってきた。このoptogenetics的手法により、生体の任意の単一細胞に、任意のタイミングで遺伝子発現を誘導することを可能としたのがIR-LEGO(Infrared laser evoked gene operator)である。

 IR-LEGOは、赤外域のレーザー(1480 nm)を生体細胞に照射し、加熱により熱ショック応答を誘導し、目的の遺伝子を発現させる。生物に共通な熱ショック応答を利用するため、形質転換可能な生物に、広く用いる事が可能であると考えられる。また、レーザー光の細胞への照射はラジカル等の発生による細胞障害が問題となるが、IR-LEGO ではエネルギーの低い長波長光を用いるため過度の障害を起こさない。更に、光受容に影響を及ぼさない波長でもあり、概日リズムや植物の研究にも適していると考えられる。     

 IR-LEGOの原理、加熱域の温度測定法、従来法との比較をはじめ、現在、主に利用されているメダカ、シロイヌナズナ実験例の紹介、及び、今後の展開についても紹介する。


参考文献
Kamei, Y.,et al. Nature Methods 2009 ( 6 ) 79
Urawa,H.,et al. Dev. Growth Differ. 2009 (51) 769



前のページに戻る

ページの先頭へ

HOME > Conference

Copyright 2011 バイオナノシステムズ研究会. All Rights Reserved.