バイオナノシステムズ研究会

有機ネットワークを基盤とした単結晶高分子ナノコンポジットの創製
Single-crystalline nanocomposites composed of organic networks and polymers

富永 昌英(徳島文理大学香川薬学部・講師)
Masahide TOMINAGA, Assistant Professor
Faculty of Pharmaceutical Sciences at Kagawa Campus, Tokushima Bunri University


 高分子ナノコンポジットをはじめとする高分子含有物質の創製は、新規な物性や機能を創出する革新的な科学技術として注目を集め、マテリアルサイエンスの分野で盛んに研究が行われている。近年では、より高度かつ複雑な構造と機能を兼ね備えた次世代型マテリアル・システムの開発が望まれている。これまでに、カーボン材料、無機ゼオライト、有機金属錯体などの結晶性多孔物質と高分子のナノコンポジットについて研究が行われてきた。

一方、有機結晶は数多く報告されているにも関わらず、高分子包接複合体の例は限られている。本研究では、「チャネル型有機ネットワークを基盤とした単結晶高分子ナノコンポジットの創製」について報告する。これまでに、アダマンタンを基本骨格にした各種三次元分子を設計し、これを基盤としたチャネルを有する結晶性機能材料の開発を報告してきた。[1−5]本発表では、従来にはないチャネル型有機ネットワークの構築、高分子包接融合マテリアルの創製について説明する。

 N-ヘテロ環を有する三種類の四脚性アダマンタン分子を合成し、結晶化を行ったところ、CH−N、CH−π相互作用によって相互貫入していないチャネル型有機ネットワークが生成した。この系の特徴は、N-ヘテロ環を修正してもネットワーク構造は維持され、チャネルの形状、サイズ、表面特性がそれぞれ異なる点である。また、分子量50万までのポリエチレングリコールが包接されることを単結晶X線構造解析、走査型電子顕微鏡測定で明らかにした。

引用文献
[1] M. Tominaga, H. Masu, I. Azumaya CrystEngComm, in press.
[2] M. Tominaga, H. Masu, I. Azumaya Cryst. Growth Des., 11, 542–546 (2011).
[3] M. Tominaga, K. Katagiri, I. Azumaya CrystEngComm, 12, 1164−1170 (2010).
[4] M. Tominaga, H. Masu, I. Azumaya J. Org. Chem., 74, 8754–8760 (2009).
[5] M. Tominaga, K. Katagiri, I. Azumaya Cryst. Growth Des., 9, 3692–3696 (2009).



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